合同会社フヒトベ

結社クリナーメン読書会『アニメ・エコロジー』第1回(8)

結社クリナーメン読書会『アニメ・エコロジー』第1回(8)

「しんちゃんはお尻ふりふりしながら一つの解決に向かって進んで行く」

凡例: トーマス・ラマール『アニメ・エコロジー』からの引用はすべて( )の中に頁数のみ表記しています。

白江:なるほど、だから『クレヨンしんちゃん』の映画の興行収入が良かった時のチームには必ず原と本郷がいた、みたいに語って固有名詞を出すわけですね。

石岡:ただし、人間のコミュニケーションだけの話ではないわけですね。ラマールが監督の名前を出すだけでここまで大がかりな議論を立てるのも、メディア・エコロジーの観点から考えるとただのアニメーターどうしのコミュニケーションに限った問題じゃないよ、ということが言いたいんだと思います。

米原:いまの話について、ラマールは次ように説明しています。

この放送をめぐるエコロジーは、配信/分配の能力の渦巻の中の一種の小さな渦の流れのようなものをもたらし、メディアミックスの戦略は、この流れの中にとどまるための戦略となる。この流れの中で、それを取り巻く様々な流れの力を誘導し制御することは可能であるように思われる。これらの理由で、〔中略〕日本ではトランスメディア・ストーリーテリングは真新しいものではないし、ポスト・テレビ現象も間違いなくそうではない。出版産業の経済的な力とテレビの持つ配信/分配の能力は、マンガのアニメ化の制作において利害が一致して合流した。このことにより、トランスメディア・ストーリーテリングを含むマンガ・アニメの出会いが広がり、また洗練された。(265頁)

トランスメディア・ストーリーテリングについては、ジェンキンスの議論であることは先ほど説明しましたね。

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry