『うまこり』について
『うまこり』は合同会社フヒトベから発行されるオンライン雑誌です。この雑誌は、合同会社フヒトベが掲げている、特定の領域の専門的で精確な知識のことだけではなく、オーラルヒストリー・小説・批評・エッセイ・詩・音楽・映像・美術を含む、より緩やかな文脈を作る目的で刊行されました。弊社が刊行している総合文芸誌『そらみつ』が特集主義を採用しているのに対して、『うまこり』は強い文脈による制約をせず、より自由に題材をとりあげるようにします。しかし、野放図にどのようなものでも掲載するという意味ではありません。「うまこり」とは、上代日本語で「美しい織物」という意味です。一見つながりのない記事どうしが『うまこり』という雑誌の中で並べられたときに美しい輝きを放つようにしたい、そのような意図を込めて名付けました。弊社の力の及ぶ限り、糸の一本々々を織り合わせるように、多くの作品をみなさまにお届けできるように尽力いたします。
購入にあたって
Codocというサービスを経由して決済することができます。購入プランは以下の通りです。
- 記事買い切り: うまこり記事買い切りプランは、うまこり内の記事を買い切ることができます。一度の購入で記事が掲載され続ける限り、何度でも読むことができます。どの記事でも600円で購入することができます。
- うまこりお試し講読プラン: うまこりお試し購読プランは、うまこり内の一部の記事について、月額プランよりかは少ないですが、何本か記事を読むことができるプランです。連載の最初や、単発記事をいくつか読めるようになります。また、フヒトベの活動を支援したい方にもおすすめです。
- うまこり月額購読プラン: うまこり月額講読プランは、1ヶ月の間、すべての記事を読むことができるプランです。集中的に記事をまとめて読みたい方、フヒトベの活動を継続的に応援したい方におすすめです。
- うまこり年額購読プラン: うまこり月額講読プランは、1年間、すべての記事を読むことができるプランです。フヒトベの活動を応援したい方におすすめです。また、月額購読を1年間継続場合に比べて、2400円お得になります。
『うまこり』のすべての記事は未購入時には注釈を閲覧する事はできませんが、購入することでポップアップ表示形式の注釈閲覧及び、文章中でも注釈を確認できるようになります。
引用について
『うまこり』の記事を引用する場合は、通常のWeb引用通りの引用をすることをおすすめします。現在のところ、すべてのURLは https://fuhitobe.jp/結社クリナーメン読書会アニメエコロジー第1回1/ といったように、タイトルを日本語URLにしています。現在は国際標準の識別番号などを持たないですが、収益の目処が立ち次第、DOIを取得する予定です。
シリーズ一覧
結社クリナーメン読書会
結社クリナーメンは、以下のメンバーで構成された読書会結社。それぞれが独自の批評理論をより研鑽するために集まったクローズドな読書会を定期開催している。
- 米原将磨(@diontum): YouTube批評チャンネル「TERECO」運営 / 文芸誌『そらみつ』編集
- 江永泉(@nema_to_morph_a): 『闇の自己啓発』の共著者/ TERECO番組「光の曠達」出演
- 白江幸司(@ttt_cellule): ポストモダン思想/ 映画論 / ノベルゲーム論/悪役令嬢論
- 石岡良治(@yishioka): 表象文化論研究/『視覚文化「超」講義』/『プリ年代の想像力』
トーマス・ラマール『アニメ・エコロジー』
アニメ批評は、10年前からほとんどその語り方が新しくなっていない。書き手も書き手が使う理論もほとんど変化がない。もちろん、優れた研究者たちによって、アニメ技術史や産業史については以前とは比較できないほどの知見が蓄積されたのであり、進展がまったくなかったわけではない。しかし、技術史と産業史を作品論につなげるための理論的基盤の更新はあまり果たされていない。ただし、そのために必要な翻訳はすでになされている。それが、2018年に刊行されたトーマス・ラマール『アニメ・エコロジー』だ。本書は、今最も重要なアニメ論にもかかわらず、様々な批評理論や日本のアニメ史の知識が求められる難解さのために、いまだに十分に検討されてきていない。今回の読書会は、本書の中で最も難解な第3部を全14回にわたって徹底的に議論するものである。『アニメ・エコロジー』のアニメ論の革新性とは、アニメはどのようにして成立したかを、テレビ放送、家庭内視聴、ゲーム、携帯端末に関わる日本のメディア環境において語ることにある。またそれと同時に、その環境を説明する最も代表的な作品として、『クレヨンしんちゃん』・『名探偵コナン』・『.hack』・『ペルソナ4』といった一見ばらばらな作品群を取り上げる。日本固有のメディア環境が生み出したこれらのアニメ作品は、ラマールに手によって明晰に1つのシェーマに落とし込まれる。本読書会はこのシェーマの意味を解き明かし、日本のアニメ批評の新しい理論的スタンダードの確立を目的とする。
- 第1回
- 第2回 準備中
カレン・バラッド『宇宙の途上で出会う』
2010年代批評理論は徹底した唯物論の時代だった。1つは思弁的実在論。思弁的(speculative)という名前に反して、現代的な語り方で1960年代の思想的潮流を語り直し、唯物論的な思考を徹底化し、STEM教養が絶対視されるなかでも強い存在感を放つことができた。ところで、日本では思弁的実在論の紹介はあったものの、もう1つ圧倒的に影響力をもった唯物論的な批評理論がほぼ紹介されていないといってよい。それが、2008年に刊行されたカレン・バラッドの『宇宙の途上で出会う』だ。2010年以降に理論整備が進んだフェミニズム批評やクィア批評の基礎概念であるエージェンシャル・リアリズム(Agential Realism、以下AR)は、この本に由来している。無理に日本語にするのであれば、作用的実在論となるだろうこのARは、ニールス・ボーアを専門としていた量子力学研究者が科学哲学と批評理論に向き合い、「回折(diffraction)」を鍵語にすべての言説や意味を唯物論的に捉え直すという野心的な取り組みをしている。日本語でARを徹底的に議論した文章は存在していない。本読書会が日本で初めてのARについてのみ議論したものとなる。全15回の連載を予定している。
- 第1回 準備中
批評と歴史シリーズ
批評を行うときに、理論的な基礎づけと同時に、批評家を悩ませるのは歴史である。批評の対象の作品が現在のものだったとしても、その作品が生まれるまでの歴史からは逃れられない。結局、どれほどアクチュアルなことを語っていたとしても、作品も批評も歴史から逃れることはできない。そのため、結社クリナーメンは当初、批評において歴史をどのように扱うべきか、また、そもそも歴史とはいまどのように語るべきかを改めて考えてみるという試みから始まった。以下の読書会の記録も公開予定である。
- ポール・ヴェーヌ『歴史をどう書くか 歴史認識論についての試論』
- アルナルド・モミッリャーノ「ギリシャ・ローマ史学とアンティクアリア二ズム」(『モミッリャーノ 歴史学を歴史学する』より)
- カルロ・ギンズブルグ「わたしはアルナルド・モミリアーノから何を学んできたか」(上村忠男『歴史をどう書くか カルロ・ギンズブルグの実験』収録の付録より)
- カルロ・ギンズブルグ『歴史・レトリック・立証』
- 村井則夫「可能性としての人文主義―グラッシとアウエルバッハの文献学的思考」(『人文学の可能性——言語・歴史・形象』より)
- ピーター・バーク『時代の目撃者』
この一冊シリーズ
クリナーメンでは、「批評と歴史シリーズ」以降、ここの関心にしたがって人文書を何冊か扱った。以下の読書会の記録も公開予定である。
- エマヌエーレ・コッチャ『メタモルフォーゼの哲学』、『植物の生の哲学』、『家の哲学』
- ジェーン・ベネット『震える物質』
- フランソワ・ジュリアン『勢』
- 川村覚文『情動、メディア、政治』
そのたびごとただひとつのもの
米原将磨が依頼した連載以外の作品を掲載する枠です。
